2004年07月05日

大場つぐみ・小畑健『Death Note』(1-2巻)

bk1.co.jp: Death note 1 集英社 / 1巻 [amazon] [bk1] / 2巻 [amazon] [bk1]

『少年ジャンプ』連載の知的ゲーム系バトル漫画らしいと聞いて、かつての『ジョジョ』ファンとしては目を通さないといけないかと思って読んでみたら、これは面白い。

まず何がすごいといって、少年漫画なのに主人公が第1話からすでに平然と人を殺している。『バトル・ロワイアル』のヒット以降、少年漫画でもここまで許容されるようになったということなんだろうか。何にせよ、導入部からなかなか気合いが入っている。

主人公が世間から「キラ」(= Killer)と名付けられるということで、当然『ジョジョの奇妙な冒険』第四部の悪役「吉良良影」を連想する。与えられた能力設定の範囲で駆け引きを展開するという『ジョジョ』的な演出が実践されていて、こういう方向の継承なら大歓迎。

「刑事コロンボ」的な犯人対警察の倒叙ミステリになっているのだけれど、「すでにやってしまった犯行」をめぐって攻防を繰り広げるだけでなく、事態が現在進行形で進展していくのが面白い。

読者の視点は当事者である主人公の立場になっていることもあるし、その行動を中立の立場から眺める「死神」の視点に近づくこともある。そのあたりの配分も良い。

犯罪者を恣意的に処罰することは善なのか悪なのか、というような問題を孕んでいた当初の設定が、いつの間にか犯人対警察の攻防に回収されてしまった感じはあるのだけれど、それにしてもミステリ系漫画として充分楽しめる内容にはなっていると思う。

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