2005-09-01

8月に観た映画

相変わらず半ば放置状態になってますが、先月観た新作映画の感想を細々と書いてみます。

■『Dearフランキー』(監督: ショーナ・オーバック)

英国スコットランドの港町に暮らす貧乏な母子家庭を描くという「ケン・ローチ派」の人情ものなのだけど、地味な画面のわりに、母親がわざわざ手紙で架空の父親を作り上げているとか、その微妙に野暮ったい母親の前に突然「幻の騎士」ジェラルド・バトラー様が現れるとか、生活感のない絵空事めいた筋書き(ハーレクイン・ロマンス的というか)になるのが合っていなくていまひとつ。こういう地味な映画は、本当にこんな生活をしている人がいるんだろうな、と感じさせる説得力がないとしょうがないと思うのだけれど。どうせなら母親の話よりも息子と同級生のバイオリン少女との「リトル・ロマンス」でも見せてくれたほうが良かった。最後にもうひと押しあっても良さそうなところを無視してあっさり幕切れになるのは英国映画らしい感じ。[★★★]

■『ランド・オブ・ザ・デッド』(監督: ジョージ・A・ロメロ)

ゾンビ映画の本家ロメロ監督の新作は、黒人リーダーに率いられて覚醒したゾンビたちが大行進を繰り広げて悪い資本家の体制を打倒するという左翼映画なのだった。これは特に裏目読みではなく、町山智浩アメリカ日記の記事によるとロメロ監督本人が

「私のゾンビ映画は『革命』についての映画だ」

と語っているのだそうだ。すなわち、万国のゾンビよ団結せよ! 革命は滅びぬ、ゾンビとともに何度でも甦るさ!という感じだろうか。(いや、ゾンビだからすでに死んでいるのか……?)

デニス・ホッパー演じる街のボスがありきたりな悪役にすぎなかったりとか、登場人物が入り乱れていて全員生かしきれていないように思えるとか、脚本には改善の余地がありそうなのがちょっと残念。見ているあいだ、何となく『ファイナルファンタジー』みたいな筋書きだなと思ったりもした。

ウェブを巡ってみたら「こんなのゾンビじゃない」みたいな感想(ゾンビ原理主義?)も結構出ているようだけれど、僕は最近WOWOWで放映していた1978年の『ゾンビ』(Dawn of the Dead)をいまさら見て感心した程度の薄い観客なので、こだわりなく普通に愉しめた。(ちなみに『ゾンビ』は素晴らしい傑作だった。これはみんな真似したくなるのも無理はない)[★★★★]

■『ハッカビーズ』(監督: デヴィッド・O・ラッセル)

これはもう、映画の作り手だけが「知的な諧謔」だと思い込んでいる寒いおふざけが延々と繰り広げられるというひたすら空疎な映画だった。コメディなのに2時間くすりとも笑えるところがない映画というのは何なのだろうか。ウディ・アレンの不肖の息子という感じ。[★]

2005-09-01 00:34 [topic] | Permanent link | Comments (0)

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