2005-01-23

『ジェイコブス・ラダー』

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Jacob's Ladder / 1990年 / 米国 / 監督: エイドリアン・ライン

印象としては『ジョニーは戦場へ行った』の「悲惨な兵士の夢想」に『ローズマリーの赤ちゃん』の陰謀論妄想を足したヴェトナム戦争版、という感じ。

物語の枠組みがどうこうよりも(題名からしてある程度結末の想像はつく)、悪夢と幻覚症状をいかに映像化するかということに焦点を絞った映画だろう。その意味では、地下鉄で亡霊を目にする場面なんかも不気味で迫力があるけれど、個人的にはダニー・アイエロの整体師の治療を受けていると光の加減で後光がかかって見えてしまう場面だとか、普通の日常生活に奇怪な違和感が忍び込んでくる、現実の足場がわからなくなる感じに独自性があると思った。幻覚症状をショック映像で描いた『レクイエム・フォー・ドリーム』あたりもこの映画の延長上にあると思う。

少し前の作品(1990年)のせいか、それ以降に作られた例えばデイヴィッド・リンチの諸作(『マルホランド・ドライブ』とか)に比べると説明がつきすぎているのが気になるけれど、なかなか先駆的な作品だったといえるんじゃないだろうか。『ジョニーは戦場へ行った』を見たとき、モノクロの現在パート(病室の場面)を抜いたらデイヴィッド・リンチの近作みたいになるんじゃないかと考えたことがあり、この作品はそれに近いことをやっている。[★★★★]

2005-01-23 09:44 [movie] | Permanent link | Comments (0)

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